Q.50 基礎地盤の調査法

(更新日:2016年2月8日)

 補強土壁を設置する基礎地盤の調査法について教えてください。

A.50

(1) 補強土壁工法に関する調査の種類

補強土壁工法に関する調査は,計画・設計・施工・維持管理を合理的かつ経済的に実施するために必要となる地形・地質・土質等についての情報や知識を得ることを目的とするものである。補強土壁工法に関する調査は次のように分類される。

  1. 地形・地質的な調査
  2. 基礎地盤の調査
  3. 盛土材の調査
  4. その他の調査

 

(2) 基礎地盤調査の目的

補強土壁工法は外見上からはコンクリート擁壁に近い構造物に見られがちであるが,通常の盛土に近い特性も併せ持つ。よって基礎地盤の調査についても,コンクリート擁壁のように支持層の位置のみを調査するのではなく,それ以浅の地盤強度を求める調査が必要となる。

補強土壁工法のための基礎地盤調査は次の目的のために行う。

  1. 補強土壁を含むすべり破壊,及び滑動・転倒・支持力に対する安定性について検討するための基礎地盤のせん断強度定数を得る。
  2. 基礎地盤が沈下するおそれがある場合には,沈下計算を行うための基礎地盤の圧密定数を得る。
  3. 液状化判定のためのデータ(強度,粒度分布等)を得る。

 

(3) 基礎地盤の調査法

a) 概略検討のための調査

ここでは標準貫入試験と土の物理試験を主に行う。これらの調査結果より,基礎地盤のせん断強度定数,圧密定数を推定して概略検討を行う。

 

表1 概略検討のための基礎地盤調査項目と頻度

調査項目 試験法 頻度 備考
標準貫入試験 JIS A 1219 少なくとも補強土壁の壁位置で1箇所と横断方向の地盤状態を推定できる位置で1箇所必要。壁位置での調査頻度は20~100mを標準とし構造物の規模や地形の変化により決定する。 未知の地盤における最初のサウンディングとしては最適。測定深さまでボーリングが必要であるが,乱した試料を採取できるのが特徴。
土の物理試験
・含水比試験
・粒度試験
・土粒子の密度試験
・液性限界試験
・塑性限界試験
JIS A 1203
JIS A 1204
JIS A 1202
JIS A 1205

深さ1mおきに測定
土質が変化するごとに測定
    同     上
    同     上
    同     上
この物理試験は上記の標準貫入試験の際に得た乱した試料について行う。

 

b) 詳細検討のための調査法

概略検討を行った結果,次に示すような状況になった場合には,表-2に示す詳細検討のための調査を追加することが望ましい。

  1. 概略すべり破壊検討や滑動・転倒・支持力検討等により,所定の安全率が得られない場合
  2. 概略沈下計算により,補強土壁に不都合な沈下量が求められた場合
  3. 特に強度の小さい層,圧密量の多い層がある場合
  4. ゆるい砂質土地盤で,地震時に液状化が予想される場合
  5. 地盤が複雑で,土質定数が決定しにくい場合

 

表-2 詳細検討のための基礎地盤調査項目

 

(4) 基礎地盤調査の重要性

基礎地盤の調査は,補強土壁の外的な安定性を検討するためには是非とも必要であるが,実際には基礎地盤調査が十分に実施されている場合は少ない。また,補強土壁を含むすべり破壊等の原因を見ると,基礎地盤の調査が実施されていない場合や調査が不十分であることが多い。さらに近年では構造物の大型化が進んでおり,崩壊した場合の社会的影響は計り知れないことを考慮すると,基礎地盤の性質を調査により十分に把握することは非常に重要であることを認識する必要がある。

 

 

 

 

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