(更新日:2015年6月1日)
Q.5-1 補強土壁工法の検討において,盛土材の土質試験を行った結果,内部摩擦角10°,粘着力20kN/m2という結果を得ました。補強土壁に使用する盛土材としては,どのように評価すればよいでしょうか。
A.5-1 補強土壁に使用できる盛土材の適用範囲は工法(補強材)により大きく異なっています。表-1に代表的な補強土壁工法に使用できる盛土材の適用範囲を示します。なお,この適用範囲は工法毎の設計・施工マニュアルにより定められているものです。
表-1 補強土壁工法に用いる盛土材の適用範囲
補強土壁工法 | 補強材適用範囲 | |
土質材料 | 岩石質材料 | |
テールアルメ工法 | 細粒分含有量は25%以下 | 最大粒径25cm以下,かつスレーキング率30%以下 |
ジオテキスタイル 補強土壁工法 |
細粒分含有量は50%未満 | 適用に当たっては,岩のスレーキング試験,岩の破砕試験等の土質試験を実施し,その適否を判断する |
多数アンカー工法 | 細粒分含有量は50%未満 | 最大粒径25cm以下。トンネルずりや岩塊等を用いる場合には,スレーキング率が高く,破砕率が高い場合には使用しない。 |
表-1より,補強土壁工法に使用できる盛土材の適用範囲は細粒分含有量で規定されています。したがって,質問にあるように三軸圧縮試験の結果だけでは判断できないことになります。
粒度試験や含水比試験等の物理試験や三軸圧縮試験などの結果と,表-1に定められた適用範囲より,補強土壁に使用できるか否かの判断と,設計土質定数などを決定することになります。
なお,ここで注意すべきは表-1に示した適用範囲はあくまで最低限満足すべき条件を示しており,良好な出来形の補強土壁を構築するためには,表の盛土材適用範囲をそのまま採用するのではなく,できるだけ(細粒分の少ない)良質な盛土材を使用することが重要です。また,補強土壁高が高い場合,壁面変位が大きくなり外観上の問題が発生することがあることから,盛土材の選定には特に留意する必要があります。
補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。
一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。
さらに設計法についても統一したものがなく,各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。
このような状況において,現地に適した補強土壁工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。(参考:工法選定の問題点と正しい選定法)
弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。
公正公平な比較検討を行なうことにより,コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。
【取扱工法】 テールアルメ,スーパーテールアルメ,多数アンカー,TUSS,アデムウォール,RRR,ジオパネル,ジオブロック,レコウォール,緑化テールアルメ,ワイヤーウォール,テンサー,アデム,E-グリッド,セルフォース,コスモグリッド,テンロン等
・ 補強土壁工法比較表(A3版) ・ 各工法ごとの横断面図(A3版) ・ 補強土壁工法形式比較検討書(A4版) ・ 各工法ごとの断面設計計算書(A4版) ・ 各工法ごとの概算工事費計算書(A4版) |
検討条件により別途お見積もりさせていただきます。
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工法選定・検討書作成
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TEL: 06-6536-6711 / FAX: 06-6536-6713 設計部宛
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