(更新日:2016年1月12日)
補強土壁工法の設計において,盛土材の粘着力を考慮する場合がありますか?また,粘着力を考慮しない場合との違いについて教えて下さい。
<ご注意>
この項目は,新マニュアルでは考慮不要となりました。
以下は旧マニュアルを基にした回答となります。
A.54
しかし,細粒土が混入してくると粘着力cの影響が大きくなってくる。しかしながら,cは締固めの度合,含水状態,経時変化などの影響を受け,その評価が難しいことかや,施工中のこね返しの影響で値がかなり減少すること,あるいはcの値が十分に発揮されるためには相当量のひずみが伴うことなどが考えられるため,cの値を表面に出さないでその影響を適度に考慮してφのみで経験的な値を用いている場合が多い。
ここではジオテキスタイルを用いた補強土壁工法について,粘着力を考慮する場合と考慮しない場合との土圧力の違いについて述べることにする。
(1) 粘着力を考慮する場合と考慮しない場合の土圧力の違い
a) 比較条件
(2) 比較計算結果
a)壁高と全土圧力
図-1,2に壁高と全土圧力の関係を示す。
図-1 壁高と全土圧力の関係(常時)
図-2 壁高と全土圧力の関係(地震時)
b)壁高別の(cを考慮した土圧力/cを無視した土圧力)
次に壁高別に(cを考慮した土圧力/cを無視した土圧力)を算出して,その関係を図-3に示す。
図-3 壁高と(cを考慮した土圧力/cを無視した土圧力)の関係
粘着力を考慮して合理的な設計を行うことは重要であるが,壁高が低くなると両者の安定性が大きくことなることに留意する必要がある。
また,土圧力算出において粘着力を考慮する場合には,三軸圧縮試験における供試体の状況,試験方法,検討する補強土壁の規模等を十分考慮して粘着力の大きさを決定する必要がある。
補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。
一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。
さらに設計法についても統一したものがなく,各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。
このような状況において,現地に適した補強土壁工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。(参考:工法選定の問題点と正しい選定法)
弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。
公正公平な比較検討を行なうことにより,コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。
【取扱工法】 テールアルメ,スーパーテールアルメ,多数アンカー,TUSS,アデムウォール,RRR,ジオパネル,ジオブロック,レコウォール,緑化テールアルメ,ワイヤーウォール,テンサー,アデム,E-グリッド,セルフォース,コスモグリッド,テンロン等
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