塩害に対する検討
（更新日：2013年4月1日）
（『道路土工 擁壁工指針(平成24年度版)』に記載されている塩害に対する検討の用語解説）
塩害とは，波しぶきや潮風によってコンクリート表面に塩分が付着し，これが浸透して内部の鉄筋が腐食する現象をいう。コンクリート擁壁の鉄筋コンクリート部材は，塩害により所要の耐久性が損なわれてはならない。
表-１ 塩害の影響地域
| 地域区分 | 地域 | 海岸線からの距離 | 塩害の影響度合いと対策区分 | |
| 対策区分 | 影響度合い | |||
| Ａ | 沖縄県 | 海岸部及び海岸線から100mまで | S | 影響が激しい |
| 100mを超えて300mまで | I | 影響を受ける | ||
| 上記以外の範囲 | II | |||
| Ｂ | 図-1及び 表-2 に 示す地域 |
海岸部及び海岸線から100mまで | S | 影響が激しい |
| 100mを超えて300mまで | I | 影響を受ける | ||
| 300mを超えて500mまで | II | |||
| 500mを超えて700mまで | III | |||
| Ｃ | 上記以外 の地域 |
海岸部及び海岸線から20mまで | S | 影響が激しい |
| 20mを超えて50mまで | I | 影響を受ける | ||
| 50mを超えて100mまで | II | |||
| 100mを超えて200mまで | III | |||
図-1 塩害の影響の度合いの地域区分
表-２ 地域区分Ｂとする地域
北海道のうち，宗谷総合振興局の稚内市・猿払村・豊富町・礼文町・利尻町・利尻富士町・幌延町，留萌振興局，石狩振興局，後志総合振興局，檜山振興局，渡島総合振興局の松前町・八雲町（旧熊石町の地域に限る。）
青森県のうち，今別町，外ヶ浜町（東津軽郡），北津軽郡，西津軽郡，五所川原市（旧市浦村の地域に限る。），むつ市（旧脇野沢村の地域に限る。），つがる市，大間町，佐井村
秋田県，山形県，新潟県，富山県，石川県，福井県
塩害に対する鉄筋コンクリート部材は，表-１に示す塩害の影響地域に基づき，下記に示す対策を講じることで耐久性を確保できるものとみなすことができる。
- 十分なかぶりを確保する。（表-３に示す最小かぶり）
- 塗装鉄筋を使用する。
- コンクリート塗装を行う。
- 埋設型枠等を併用する。
表-３ 塩害の影響による最小かぶり(mm)
塩害に対する耐久性を考慮した補強土壁を検討する場合，コンクリート壁面材を厚くして鉄筋のかぶりを確保することや，鉄筋にエポキシ樹脂塗装を施すなどの方法がある。また，補強材が鋼材である場合は，通常よりも大きな腐食代を見込んで検討するなどの方法がある。
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