(更新日:2022年2月8日)
(1) 近接施工とは
建造物・橋梁基礎・道路工作物・鉄道あるいは地下埋設物等に近接して,盛土・切土・掘削等の施工を行う場合を近接施工という。近接施工の際は,既設構造物の内容,周辺地盤,地下水等の状況を調査して安全性,対策工法や変状計測等について十分な検討を行う必要がある。
(2) 近接施工の概要
既設構造物にどの程度近づいた場合が近接施工であるかの判断は,既設構造物の種類,老朽の程度,周辺の地盤・地下水の状況・実施しようとする工事の内容等により異なる。このため,既設構造物の管理者との協議の上,当該工事の埋設構造物への影響を判断し,必要に応じて適切な措置を講じる。
対策工法の選定は,地盤条件・構造条件・施工条件・環境条件等で異なり,当事者間の協議により決定する。その判断は,過去の施工実績に基づいた経験的知識が必要とされ,判断によっては対策工法に大きな差が生じることもある。したがって,対策工法の選定にあたっては,安全性の確保を第一に,工期・工費などの問題を含めた総合的な判断を加えながら協議することが望ましい。
(3) 近接施工の例
一般的に採用されている対策工法の種類および対策工事の例を表-1,図-1に示す。
表-1 対策工法の種類およびその例
図-1 対策工事例図
(4) 計測管理
計測管理は,計算上の推定値と実際の挙動を比較することによって,既設構造物および工事施工の安全性を確認するものであり,近接施工における適切な施工管理手法である。その内容は施工条件によって異なるが,代表的なものを表-2に示す。
表-2 測定種別および測定項目
参考文献
・社団法人 日本道路協会:道路土工要綱(平成21年度版),pp323~325,2009.6
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