(更新日:2022年10月24日)
1. 情報化施工とは(国土交通省HPより)
情報化施工とは,建設事業の調査,設計,施工,監督・検査,維持管理という建設生産プロセスのうち「施工」に注目して,ICTの活用により各プロセスから得られる電子情報を活用して高効率・高精度な施工を実現し,さらに施工で得られる電子情報を他のプロセスに活用することによって,建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確保を図ることを目的としたシステムをいう。
図-1 情報化施工のイメージ(その1)
図-2 情報化施工のイメージ(その2)
2. 国土交通省における情報化施工の取り組み
(1) 情報化施工推進会議
建設施工の生産性向上,品質確保,安全性向上,熟練労働者不足への対応など,建設施工が直面している諸課題に対応するICT施工技術(情報化施工)の普及に向けて,産学官の委員により構成する「情報化施工推進会議」を平成20年2月25日に設立され,平成20年7月31日に「情報化施工推進戦略」をとりまとめ,情報化施工の普及推進に取り組んでいる。
(2) 情報化施工推進戦略
平成24年度をもって「情報化施工推進戦略」(平成20年7月31日策定)の戦略期間を終え,平成25年3月29日に新たな「情報化施工推進戦略」をとりまとめている。
本推進戦略は,中長期的な目標となる情報化施工の目指す姿を明らかにし,建設事業の課題と情報化施工への期待ならびに情報化施工推進を巡る現状を整理し,本推進戦略の期間である平成25年度からの5年間に大きな柱として推進する目標とその達成に向けて取り組む項目として,5つの重点目標と10の取り組みを設定している。また,本推進戦略の継続的な実効性を確保するための体制と施策を示し,定期的にフォローアップを実施することとしている。
<5つの重点目標と10の取り組み>
① 情報化施工に関連するデータの利活用に関する重点目標
・ 情報化施工による施工管理要領,監督・検査要領の整備
・ 情報化施工の定量的な評価の実施
・ 技術基準類(設計・施工)の整備
・ CIMと連携したデータ共有手法の作成
② 新たに普及を推進する技術・工種の拡大に関する重点目標
・ 新たな技術や既存の技術を導入し普及する仕組み作り
③ 情報化施工の普及の拡大に関する重点目標
・ 一般化及び実用化の推進
・ ユーザが容易に調達できる環境の整備
④ 地方公共団体への展開に関する重点目標
・ 情報発信の強化
・ 情報化施工の導入現場の公開や支援の充実
⑤ 情報化施工に関する教育・教習の充実に関する重点目標
・ 研修の継続と内容の充実
3. 盛土工における情報化施工(盛土工指針の記述)
盛土工事における情報化施工は、次のものが挙げられる。
(1) 観測施工
軟弱地盤上の盛土や高盛土工事において施工の信頼性を確保するために、盛土ないし地盤の挙動を計測(動態観測)しながら行う施工をいう。これは、設計時に想定し得ない現場の挙動を計測データから検討し、施工中や施工後の安定性を確保するとともに、手戻りのない経済的な施工を実現することを目的としている。
(2) 建設機械の自動化施工
位置計測技術や制御技術を建設機械に活用した施工をいう。これは、高い生産性と施工品質を実現することを目的としており、汎用の施工機械を用いる土木工事や舗装工事等の一般的な土木工事においても、大規模現場を中心に導入されつつある。
参考文献
・社団法人 日本道路協会:道路土工 盛土工指針(平成22年度版),pp267-271,2010.4
・国土交通省ホームページ
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