(更新日:2014年7月22日)
(『道路土工 擁壁工指針(平成24年度版)』の改訂に伴う,用語「補強土壁の地盤反力」の解説)
平成26年7月現在,道路土工擁壁工指針(平成24年度版)(以後,擁壁工指針H24と称する)の改訂に伴い,補強土壁工法のマニュアル改訂がすすめられているが,擁壁工指針H24改訂前の補強土壁工法マニュアルにおいては,補強土壁の地盤反力の考え方が様々であった。
<擁壁工指針H24発行前の考え方>
テールアルメ工法の場合
地盤反力 q=[(盛土荷重)+(載荷重)] ÷ 底面幅
(※地盤反力は底面に均等に作用)
多数アンカー工法の場合
地盤反力 q=[(仮想擁壁の自重)+(仮想擁壁背面に作用する土圧の鉛直成分)+(載荷重)] ÷ 底面幅
(※地盤反力は底面に均等に作用)
ジオテキスタイル工法の場合
地盤反力 q=[(仮想擁壁の自重)+(仮想擁壁背面に作用する土圧の鉛直成分)+(載荷重)] ÷ 底面幅
※地盤反力は底面に均等ではなく台形分布に作用)
<擁壁工指針H24の考え方>
地盤反力 q= [(仮想擁壁の自重)+(仮想背面に作用する土圧の鉛直成分)+(載荷重)] ÷ 底面幅
(※地盤反力は底面に均等に作用)
図-1 擁壁工指針H24(p256)抜粋
擁壁工指針H24の改訂に伴い,平成25年12月にジオテキスタイルマニュアル改訂版が発行された。そこでは,補強土壁の地盤反力は擁壁工指針H24と同じ計算方法となっている。今後,その他の補強土壁工法マニュアルも同内容に改訂される見込みである。
以上のように,補強土壁マニュアルの新旧で地盤反力の計算方法が異なる場合があることと,補強土壁の支持力の安全率は従来,常時2.0地震時1.5であったが,擁壁工指針H24の改訂後は常時3.0地震時2.0と大きくなったことも合わせて注意が必要である。
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