『補強土・軽量盛土・斜面補強・地盤技術』を技術的に深く追求する建設コンサルタント
(更新日:2021年8月19日)
(1) プレファブリケイティッドバーチカルドレーン工法とは
プレファブリケイティッドバーチカルドレーン(以下,PVDという)工法とは,サンドドレーン工法と同様にバーチカルドレーン工法に位置付けられ,砂の代わりにペーパー(カードボード),プラスチックや天然繊維材を用いた人工の製品等を粘性土地盤中に設置して,これを排水柱とするものである。
PVD工法の適用に当たっては,粘性土の厚さや圧密特性を十分検討したうえで採否を決定するとともに,採用する場合は,改良範囲やPVDの配置,打設深度およびPVDの透水係数や形状寸法を適切に設定することが重要である。
なお本工法は,サンドドレーン工法と比べると以下のような得失を持つ。
① サンドドレーン工法と比べ材料単価は安く,施工速度も速い。
② PVDは工場製品で品質が一定であるため,施工管理が簡単である。
③ 打設による地盤の乱れが少なく,低騒音・低振動である。
④PVD打設後,ケーシングを引き抜く際にPVDが共上がりすることがある。
(2) 設計
PVD工法の設計は,サンドドレーン工法と同じ方法による。
一般に使用されるPVD例を図-1に示す。
図-1 PVD例
(3) 施工
サンドドレーンと同様に,サンドマットを施工した後にPVDを打設する。PVDの打設方法は,ケーシングを使用する方式が一般的であり,機種によっては深度40m程度まで施工可能である。
(4) 設計・施工上の留意点
a) 設計時
一般的な圧密計算では,ドレーン材の透水係数を無限大と仮定しているが,長尺ドレーンを使用すると圧密速度が設計時の予測より遅くなることがある。その場合,圧密遅れを考慮した予測を行う必要がある。
b ) 施工時
サンドドレーンと比べて,PVDの設置間隔は一般に小さいことが多いので,打設位置(間隔)を慎重に管理する必要がある。 また,PVDの打設時,PVDを送り込まないでケーシングのみを挿入してしまうことや,ケーシングの引抜きの際にPVDがケーシングと共に引き上がる「共上がり」が生じることがあるので注意が必要である。
参考文献
弊社では、補強土壁工法の断面検討、比較検討、詳細設計など承っております。
補強土壁工法とは,壁面材,補強材,及び盛土材を主要部材とした擁壁の1つです。
一口に補強土壁工法といいましても,数多くの種類(30工法程度)があり,各々の工法が持つ特性も異なっています。
さらに設計法についても統一したものがなく,各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。
このような状況において,現地に適した補強土壁工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。(参考:工法選定の問題点と正しい選定法)
弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。
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