(更新日:2021年11月10日)
(1) 間隙水圧消散工法とは
間隙水圧消散工法とは、地震時に液状化のおそれがある砂質土地盤中に鉛直な排水柱を設けて地盤の透水性を高め、地震時に発生する過剰間隙水圧をすみやかに消散させて液状化を防止する工法をいう。
(2) 適用
間隙水圧消散工法の適用に当たっては、土工構造物の安定性を確保できるように改良範囲、改良深度、ドレーン径、ドレーン材質および打設間隔を適切に設定しなければならない。
間隙水圧消散工法による液状化対策としての効果は、以下の二つに分けることができる。
① 地震時の繰返しせん断により発生する過剰間隙水圧を消散させ、液状化の発生を直接防止する効果。
②下方や側方の地盤内に発生した過剰間隙水圧の伝播により、二次的に構造物周辺に生じる液状化を防止する効果。
(3) 設計
間隙水圧消散工法の設計は、まず改良範囲と改良深度を仮定し、改良仕様(ドレーン材の種類、直径および打設間隔)を設定する。改良仕様の設定に当たっては、改良範囲内の許容過剰間隙水圧比を設定し、これを確保できるような打設間隔等を設定する。
改良深度は液状化対象層の下端までを最小深度とすることを原則とする。また、改良区域の上面には、砕石や礫等のドレーンマットを設け、排水柱から上昇してきた間隙水が速やかに排水できるようにする。図-1に改良範囲の例を示す。
図-1 改良範囲の例
参考文献
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