(更新日:2020年3月9日)
固化材の添加量は,現場における混合方法と室内試験における混合方法との差や土質の変化,施工時の気温等を考慮して,次のような方法で求めることができる。
1) (現場/室内)強さ比より求める方法
設計強度を(現場/室内)強さ比で除した改良目標強さから固化材の添加量を求める方法である。
(図-1)
現場での添加量 = 改良目標強さ(設計強度÷(現場/室内)強さ比)に対応する添加量
図-1 固化材添加量の求め方
この方法は,基礎地盤を改良する際に適用されている。セメント・セメント系固化材では,(現場/室内)強さ比の目安として,固化材の添加方式,改良対象土および施工形態(混合攪拌に使用する施工機械の種類)に分けて,表-1が提案されている。石灰・石灰系固化材においても同様に,表-1の上段に示す固化材の添加方式(粉体)が提案されている。なお,石灰・石灰系固化材では表-1の下段に示す固化材の添加方式(スラリー)は適用されていない。
表-1 セメント系固化材における(現場/室内)強さ比の一例
固化材の 添加方式 |
改良の対象 | 施工機械 | (現場/室内) 強さ比 |
粉体 | 軟弱土 | スタビライザ バックホウ |
0.5~0.8 0.3~0.7 |
ヘドロ 高含水有機質土 |
クラムシェル バックホウ |
0.2~0.5 | |
スラリー | 軟弱土 | スタビライザ バックホウ |
0.5~0.8 0.4~0.7 |
ヘドロ 高含水有機質土 |
処理船 泥上作業車 クラムシェル・バックホウ |
0.5~0.8 0.3~0.7 0.3~0.6 |
注)締固めを行う場合も含む。
2) 割増し係数を基に求める方法
先に述べたように現場と室内での混合方法との差や土質の変化,施工時の気温等を考慮して,室内試験で求めた添加量に割増係数を乗じることにより求める方法である。
この方法は,石灰・石灰系固化材およびセメント・セメント系固化材とも路床の安定処理のケースに適用されており,いずれも割増係数の目安として,表-2が提案されている。
実際の工事での添加量 = (室内配合試験で求めた添加量) × 割増係数
割増係数 = 1+割増率(%) × 1/100
ただし,実際の工事での固化材の添加量が少なすぎると,土と固化材の混合の均一性が悪くなるので,最小添加量を提案している。最小添加量は以下のとおりである。
a) セメント・セメント系固化材
b) 石灰・石灰系固化材
なお,実際に工事に際しては,次を目的として試験施工を実施する場合もある。
表-2 固化材添加量の割増率の目安
混合層厚 (cm) | 50未満 | 50以上 | |
土の種類 | 全対象土 | 砂質土 | 粘性土 |
割増率 (%) | 15~20 | 20~40 | 30~50 |
参考文献
・社団法人日本道路協会:道路土工盛土工指針(平成22年度版),pp252-254,2010.4
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