(更新日:2020年9月1日)
(1) 盛土載荷重工法とは
盛土載荷重工法の主目的は,粘性土地盤の圧密を促進し残留沈下量を軽減することである。
(2) 盛土載荷重工法の適用
盛土載荷重工法の適用は,以下に分類される。
a) プレロード工法 … 構造物計画箇所に対して適用。
b) 余盛り工法 … 一般盛土区間に適用。
(3) 工法の原理
a) プレロード工法
プレロード工法は,構造物あるいは構造物に隣接する盛土等の荷重と同等またはそれ以上の盛土荷重を載荷して,粘性土地盤の圧密を十分に進行させるととともに,地盤の強度増加を図った後,プレロードの盛土を取り除いて構造物を施工する。
b) 余盛り工法
余盛り工法は,計画高さ以上に盛土を高く施工して圧密を十分進行させた後,余盛り分を取り除いて舗装を施工する工法。
盛土載荷重工法の設計では,目標とする残留沈下量や地盤の強度増加量を満足するための盛土載荷重と盛土載荷期間について,十分な検討が必要である。プレロード工法と余盛り工法における載荷重と沈下の時間経過の概要を図-1に示す。
図-1 プレロード工法と余盛り工法の概念
(4) 設計
盛土載荷重工法の設計は,盛土の沈下と安定の検討を行う。具体的には,プレロードもしくは余盛りを含めた盛土の立ち上がり直後あるいは盛土施工中の安定について検討を行うとともに,プレロード除去後の構造物の残留沈下等について検討を行う。盛土載荷重工法の適用では,これらを満足する所要の地盤強度もしくは残留沈下量が許容値以内となるように盛土載荷重および盛土載荷期間を設定する。
(5) 品質および施工管理
盛土の重量は,圧密沈下量や圧密による強度増加の促進に影響を及ぼすため所要の品質の盛土材料,載荷盛土の出来形および締固め度等の施工管理とともに,盛土載荷期間を判断するために動態観測により沈下・安定管理を行わなければならない。
(6) 効果の確認
盛土載荷中の圧密沈下量および圧密により強度増加についての効果を確認する。所要の効果が得られていないと判断された場合は,盛土載荷重や盛土載荷期間を調整するなどの対策を検討する。
参考文献
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