『補強土・軽量盛土・斜面補強・地盤技術』を技術的に深く追求する建設コンサルタント
(更新日:2018年12月27日)
軟弱地盤中に深層混合処理工を施工すると,地盤内に改良材が投入されることにより周辺地盤に変位が生じる。この影響は,図-1に示すように離隔距離xと改良深度Lの比が,x/L=1.0程度で,改良下端からの影響角θ=tan-1(x/L)=45°程度と考えられている。
図-1 x/Lと水平変位量の関係
また,施工が進行する方向に変位が増大することが知られており,一般に対象物から遠ざかる方向に施工することが望ましいと言われている。
施工順序と変位量の関係については,施工順序による変位量の違いを観測した事例を検討すると,表-1のような傾向がある。すなわち,対象物と直角に,かつ対象物から遠ざかる方向に改良体を施工する順序がもっとも変位量を低減させうると予測されるが,現地において確認することが望まれる。
しかし,このような施工順序は手順が煩雑となり,肯定的な問題の発生も予測されることから,周辺状況と対象構造物の重要性を検討して総合的に判断することが大切である。
表-1 施工順序と変位量の関係
参考文献
・(財)土木研究センター:深層混合処理工法 設計・施工マニュアル改訂版,pp.152,182-183,2004.3
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