(更新日:2013年9月18日)
擁壁の安定検討において,躯体の重量が水よりもはるかに重い構造物の場合は不要であるが,軽量材を用いた擁壁や,躯体が浮力の影響を受けやすいU型擁壁などにおいては浮上がりの検討を行う必要がある。
浮上がりの安全率Fsは次式により算出する。
図-1 浮上がりの検討モデル
主な工法の浮上がりに対する必要安全率を表-1に示す。なお,特に軽量盛土工法における浮き上がりに対する必要安全率は,上載盛土の重量により安定を満たしていることが多い。よって,躯体の施工中(上載盛土の施工前)や,完成後に上載盛土を撤去する場合には,擁壁が浮力の影響を受けないよう注意が必要である。
表-1 浮き上がりに対する必要安全率
工法名 | 浮上がりの安全率 | 躯体の単位体積重量 | 出展 |
U型擁壁 | 常時 Fs≧1.1 | γ=24.5(kN/m3) (鉄筋コンクリート) |
社団法人日本道路協会 道路土工擁壁工指針(平成24年度版), p192, 2012.7 |
軽量盛土工法: EPS工法 |
常時水位 Fs≧1.3 異常水位 Fs≧1.1 (注1) |
γ=0.2~0.35(kN/m3) (発泡スチロール) |
発泡スチロール土木工法開発機構(EDO): EPS工法設計・施工基準書(案), p40・p52, 2007.10 |
軽量盛土工法: 発泡ウレタン工法 |
常時 Fs≧1.2 | γ=0.35~0.40(kN/m3) (発泡ウレタン) |
財団法人土木研究センター: 現場発泡ウレタン超軽量盛土工法 設計・施工マニュアル, p49, 2008.4 |
軽量盛土工法: FCB工法 |
常時 Fs≧1.2 | γ=5.1~11.5(kN/m3) (気泡混合軽量土) |
東日本高速道路(株)他: FCB工法設計・施工要領, p11, 2007.1 |
軽量盛土材: スーパーソル |
常時 Fs≧1.2 | γ=4.5(kN/m3) (ガラス瓶リサイクル材) |
財団法人土木研究センター: 土木系材料技術・技術審査証明報告書 「スーパーソル」, 付-31, 1999.8 |
(注1):異常水位時とは,短時間に集中豪雨などによって生じる内水氾濫などを指す。
弊社では、補強土壁工法の断面検討、比較検討、詳細設計など承っております。
軽量盛土工法とは,道路などの盛土を軽くして地盤に加わる負荷を軽減しようとする工法全般をいいます。
軽量盛土工法に使用する軽量盛土材には,発泡スチロールブロック(以下EPSという),気泡混合軽量土(以下FCBという),発泡ウレタン軽量土,発泡ビーズ混合軽量土などがあります。
この他にもスーパーソル,石炭灰,水砕スラグなどがあります。このように軽量盛土工法には使用する盛土材により多くの種類がありそれぞれの特徴を有しています。
このような状況において,現地に適した軽量盛土工法を選定するためには,各工法の特性と現場における各種条件を整理して,十分検討する必要があります。
弊社では,各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に,経済性だけでなく,安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。
公正公平な比較検討を行なうことにより,コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。
【取扱工法】 EDO-EPS,FCB,発泡ウレタン,水砕スラグ,石炭灰,カルストーン,スーパーソル,発泡ビーズ等
・ 軽量盛土工法比較表(A3版) ・ 各工法ごとの横断面図(A3版) ・ 軽量盛土工法形式比較検討書(A4版) ・ 各工法ごとの断面設計計算書(A4版) ・ 各工法ごとの概算工事費計算書(A4版) |
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