(更新日:2016年7月11日)
切土補強土工の補強材配置において,経験的手法は,崩壊対策として標準勾配にて切土をしたときに,深さ2m程度の浅い崩壊または緩んだ土塊の崩落が予想される場合に適用できるものとする。経験的手法の諸元を表-1に示す。
表-1 経験的手法の諸元
項目 | 諸元 |
削孔径 | φ65mm |
補強材径 | D19~D25 |
補強材長 | 2~3m ※) ※)崩壊深さが1m程度であると予想される場合の補強材長は2m, 深さが2mであると予想される場合の補強材長は3mを目安とする。 |
打設密度 | 約2m2当り1本 |
角度 | 水平下向き10°~ のり面直角 |
経験的手法が用いられるようになった主旨は,深さ2m程度の崩壊対策に対して,その都度設計を行うのは大変であることから設計を省略したいという点にあった。しかし,軽微な崩壊という表現は抽象的であり,その言葉だけが一人歩きしてしまうと安定計算が必要であるのり面においても,経験的手法を適用し,その結果,十分に安定が保たれなかったり,有害な変形が生ずる恐れがある。したがって,経験的手法を用いる場合は,崩壊対策として標準勾配で切土をしたときに,深さ2m程度の浅い崩壊または緩んだ土塊の崩落が予測される場合に限って適用することができるものとした。
なお表-1は,過去の施工例から定めた設計諸元であるが,これよりも補強材長を短くしたり,間隔を広くしたい場合には,安定計算を行わなければならない。
参考文献
・東日本高速道路㈱他:切土補強土工法設計・施工要領,2007.1,p44
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