(更新日:2019年3月25日)
1.設計アンカー力
1本当りの設計アンカー力は,アンカーの抑止機構と1本当りのアンカー力の配分方法を十分に考慮し,次式により求めるものとする。
この式では,安定解析断面が代表できる範囲内において,βが一定値であることによって,各アンカーの設計アンカー力が一定となる。したがって,θの値は原則としてアンカー施工範囲の平均的なすべり面勾配を用いるようにし,のり面方向においてのり面勾配が変化するときでもαの値は一定とすることが望ましい。
また,地形や施工上の理由によりアンカーの段数や間隔が一定とならない場合(千鳥配置など)には,N,Bの値は一定の範囲の平均値を用いてもよい。
なお,地すべりなどが大きく安定解析断面が複数ある場合や,βの値が大きく異なる場合などには,上式をもとに別途検討する必要がある。
2.許容アンカー力
許容アンカー力(Ta)は,次の①~③値の最も小さい値とし,設計アンカー力以上となるようアンカー規格を決定する。
① アンカーの許容引抜き力(Tag)
② テンドンの許容引張り力(Tas)
③ テンドンの許容拘束力 (Tab)
① アンカーの許容引抜き力(Tag)
アンカーの許容引抜き力(Tag)は,アンカーの極限引抜き力(Tug)の安全率を考慮のうえ決定する。
表-1 アンカーの極限引抜き力(Tag)に対する安全率(Fs)
安全率 (Fs) | |
アンカー | アンカーの極限引抜き力 (Tug) / 2.5 |
② テンドンの許容引張り力(Tas)
テンドンの許容引張り力(Tas)は,テンドンの極限引張り力(Tus)およびテンドンの降伏引張り力(Tys)に表-2の低減率を乗じた値のうち小さい値とする。
表-2 テンドンの極限・降伏引張り力に対する低減率
テンドン極限引張り力(Tus)に対して | テンドン降伏引張り力(Tys)に対して | |
アンカー | 0.6 | 0.75 |
③ テンドンの許容拘束力(Tab)
テンドンの許容拘束力(Tab)は,次式によりもとめるものとする。
参考文献・東日本高速道路㈱他:グラウンドアンカー設計・施工要領,p45・pp63-64,2007.8
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