壁面変位
（更新日：2012年7月10日）
壁面変形は補強土壁特有の問題で発生頻度も多いです。トラブルの大きさはそれほど大きくはないですが，変形が発生すると，外観的に良くなく，また見た者に対し不安感を与える事もあります。壁面変形で問題となる形態は，図－1に示すように壁面材により2つに分類できます。
(1)コンクリート製壁面材の水平変位
コンクリート製壁面材に発生する水平変位の原因としては次の事が考えられます。
- 盛土材の土性
補強土壁の水平変位量は使用する盛土材の土性に大きな影響を受けることが経験的にわかっています。一般的には細粒分が少なく，せん断強度の高い盛土材（礫，砂）を使用すると，壁面水平変位は微小ですが，細粒分が多くせん断強度が低い盛土材（粘性土に近い盛土材）を使用すると壁面水平変位が大きくなる場合が多くなります。 - 施工法
壁面近くを大型重機で盛土材のまき出し・敷均し，転圧作業を行うと，壁面材が大きく変位する場合があります。また，壁面材と補強材との連結部や補強材を緩んだ状態のまま盛土材のまき出し・敷均し，転圧作業を行うと壁面が変位します。
(2)鋼製枠壁面材の鉛直変位
鋼製枠壁面材に発生する鉛直変位の原因としては次の事が考えられます。
- 盛土材の圧縮沈下
壁面材の圧縮変形は盛土材の土性に影響を受けます。盛土材の圧縮沈下が大きいと，鋼製枠の剛性が小さいため同じように圧縮変形が発生します。 - 基礎地盤の剛性
岩盤やコンクリート構造物の上に築造する場合，基礎部は全く沈下しないため，大きな地盤反力が発生します。その結果，壁面材と盛土材に大きな圧縮力が作用し，圧縮変形する場合が多くなります。 - 鋼製枠壁面材の構造
鋼製枠壁面材には，上下の壁面材連結部を固定するもの（図-2 a））と，盛土材の圧縮変形に追随できるように下方にスライドできるような構造（図-2 b））となっているものがあります。前者の方が盛土材の圧縮沈下により連結部に大きな荷重が作用し，壁面材の圧縮変形が発生しやすくなります。
弊社では、補強土壁工法の断面検討、比較検討、詳細設計など承っております。
補強土壁工法形式比較検討業務のご案内
補強土壁工法とは，壁面材，補強材，及び盛土材を主要部材とした擁壁の１つです。
一口に補強土壁工法といいましても，数多くの種類（３０工法程度）があり，各々の工法が持つ特性も異なっています。
さらに設計法についても統一したものがなく，各工法により異なった手法を採用しているのが現状です。
このような状況において，現地に適した補強土壁工法を選定するためには，各工法の特性と現場における各種条件を整理して，十分検討する必要があります。（参考：工法選定の問題点と正しい選定法）
弊社では，各工法で同一の条件を用いた設計計算を基に，経済性だけでなく，安定性や耐久性についても充分に配慮した選定を行なっております。
公正公平な比較検討を行なうことにより，コンプライアンスに対応した成果品をお届けいたします。
【取扱工法】 テールアルメ，スーパーテールアルメ，多数アンカー，TUSS，アデムウォール，RRR，ジオパネル，ジオブロック，レコウォール，緑化テールアルメ，ワイヤーウォール，テンサー，アデム，E-グリッド，セルフォース，コスモグリッド，テンロン等
成果品の一例
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・ 補強土壁工法比較表（A3版） ・ 各工法ごとの横断面図（A3版） ・ 補強土壁工法形式比較検討書（A4版） ・ 各工法ごとの断面設計計算書（A4版） ・ 各工法ごとの概算工事費計算書（A4版） |
検討条件により別途お見積もりさせていただきます。
業務手順
工法選定条件確認
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比較形式の選定
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工法の絞込み
選定条件と工法特性により，工法を絞込みます。
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計算図面工事費算出
工法の設計計算，横断面図を作成し，工事費を算出します。
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比較表作成
あらゆる項目に対して検討し，比較表を作成します。
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工法選定・検討書作成
最終的な工法を選定し，検討書を作成します。
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成果品の送付
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検討条件により別途お見積もりさせていただきますので是非お問合せください。
TEL: 06-6536-6711 / FAX: 06-6536-6713 設計部宛
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