補強土壁の施工手順
（更新日：2013年4月30日）
補強土壁の施工手順を以下に示します。
（１）施工計画
施工に先立ち,下記の事項を十分調査し,検討した上で施工計画を立てる。
- 施工現場状況
- 設計図書
- 現場で使用する補強土壁工法の特性
（２）準備工
準備工は本工事を行うためで次のようなものがある。
- 工事準備測量
設計図書と現場の間に大きな違いがないかどうかを確認するための測量 - 部材の準備及び仮置き
補強土壁の施工には,壁面材,補強材,盛土材,その他諸部材が使用される。 - 施工機械・道具の準備
施工機械は現場に合った機種,大きさのものを選定する必要がある。
（３）掘削・整地
掘削は設計図に示された補強材が無理なく敷設できる範囲まで行うものとする。また,整地は補強材 の敷設を円滑にし,確実な締固め度を得るために底面の不陸をなくすものとする。
（４）排水工
補強材の排水工は,施工時及び完成後長期にわたって補強材敷設範囲に水が浸入しないように,また浸入した水が速やかに排水できるように施工する。
（５）基礎工
基礎工は壁面材がコンクリートパネルやコンクリートブロックの場合にはコンクリート基礎を用い,鋼製 枠の場合には,砕石や良質な砂質土等による基礎を用いる。補強土壁の基礎工は,壁面材の荷重を直接支持するものであり,施工の良否が補強土壁の安定,仕上がり精度を左右する。このため,基礎工は特に入念に施工しなければならない。
（６）壁面材の組立て
壁面材には重量のあるコンクリート製壁面材と軽量な鋼製枠壁面材がある。前者の組立てには,クレーンを使用するが,後者の場合には人力により組立てる。
（７）補強材の取付け
補強材は補強土壁の主要部材であり,設計図書に示された位置に,所定の種類の補強材,長さのものを確実に取り付ける。
（８）盛土材のまき出し・敷均し
盛土工のうち,盛土材のまき出し・敷均しは補強土壁の安定性及び壁面の出来形に影響を及ぼす重要な作業である。また,壁面変位は盛土作業中に起こる場合がほとんどであるので,絶えず壁面変位に注意し,異常な変位が観測されればその場で原因を追究し,対策を立てる必要がある。
（９）盛土材の締固め
現場での締固め作業は,補強土壁の安定性に大きく影響する重要な作業である。締固めの程度はマニュアル等で定められた所定の締固め度以上とする。
（１０）くり返し作業
（６）～（９）の作業をくり返し,盛土天端まで盛土作業を実施する。
（１１）付帯工
補強土壁の天端仕上がり面に縦断勾配がついている場合には,天端に現場打ちコンクリート等の笠コンクリートを設置することにより対処する場合が多い。
下図に補強土壁の施工手順を示す。
図 補強土壁施工手順図
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